2019-03-19

JRA日高育成牧場のあしはらです

春は近くに

 3月はJRAの定期人事異動。今年も新しい仲間が加わりました。

 「思ったより暖かいですね。」

第一声がみなさん、そんな感じだったのですが、確かに2月の終わりから、まとまった雪も降らずに、3月下旬くらいの陽気が続いている日高です。育成馬の調教も順調で、1歳、繁殖牝馬、当歳馬もそれぞれ、元気いっぱいです。

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 そうは言っても、桜が咲くのはまだまだ先で、風はまだまだ冷たいのですが、日差しは春がもう近くまで来ていると感じられるほどになってきました。

スプリングキャンプ

 毎年恒例になっている研修ですが、今年も全国の獣医系大学から学生がやってきました。目的は、馬の出産、繁殖牝馬、当歳馬の飼養管理の勉強をすることです。そして、その中には、馬取扱いの仕事を目指す皆さんと同じように、馬に関係する仕事について興味を持つ学生もいます。私もこの春の時期になると、学生で将来どんな仕事についたらいいのかと、悩んでいたことを思い出します。学生にとって不安なことは、そう、単純に、

 仕事するってどんな感じなのかな

 続けていけるのかな

そんな感じですよね。私もそうでした。無責任なことはあまり言えないのですが、どんな仕事でもやってみないとわからないです。そして

 意外と合っているな

 ちょっとつらいかな

 まるで合わないな

いろいろ感じながら仕事を始めると思います。まるで合わないなと言う人は、次の仕事を探すのがいいのかもしれないですけど、自分が一大決心をして始めた仕事なんですから、少々つらくても、自分の決断を信じて粘って続けてほしいですよね。私も正直、今の仕事が合っていたかと言えば、そうでもなかった(もう年なので過去形になってしまう・・・笑)と答えてしまうことが多いです。でもそれは、振り返ってみてすべてが決して無駄なことではなかったと思っています。楽しいこともうれしいことも沢山ありました。どんな仕事でも、いいことも悪いこともいろいろあって過ごすことに変わりないですから、まずは自分で選んだ仕事を好きになる努力をしてみればいいのです。あまり難しく考えすぎないことですね・・・。

耳を澄まして

 大学を卒業して、もう30年近く経ちましたので、出身大学の今の状況についてはほとんどわかりませんが、私が通っていた頃・・・6年間の学生生活の中で、4年目から「研究室」に所属していました。私が4年生のときは、6年生が3人、5年生が3人、4年生が5人、先生が3人で、事務官が1人の計15名が所属していました。3人の先生にはそれぞれ自分の部屋があって、そのほかに実験室、実習室、コンピューター室、暗室、顕微鏡室などがあって、部屋の入り口に自分の名前を書いたマグネットが用意されており、各部屋に行ってこもるときは、壁に書いてある行き先地図に自分のマグネットを移動させる・・・なんてことをやっていました。当たり前の話ですが、登校するときは靴を履いてきますが、研究室から室間移動するときはスリッパを履いて歩いていました。私の部屋の机は入り口に一番近いところだったので、パタパタと廊下の足音が良く聞こえる場所でした。

 研究室生活にも慣れてきたころ・・・。

 お昼休みは、大抵、生協でA・B・Cランチを食べるか、少し離れた食堂に行くか、大勢でジンギスカンを食べに行っていました。ある日、一人で早々に昼食を終え、他のメンバーがランチに行って、部屋にいたときのことです。昼食を終えた順番に人が帰ってくるのですが、ドアを開ける前に

 「あ、○○が帰ってきた。」「3人帰ってきた」など、足音を聞いただけで、誰かを当てるようになっていることに気づいたのです。それは、履物の種類が違って微妙に音が違うことだったり、人によって歩くリズムが異なったりすることだったりすると思うのですが、普段から意識して聞き分けようとしたものではなく、毎日のことで自然と耳に入っていたんですね。

目だけに頼らない

 馬は皆さんご存知のように、常歩(なみあし)、速歩(はやあし)、駈歩(かけあし)と大きく分けて3つの歩法がありますが、それぞれ4拍子、2拍子、3拍子とリズムも違います。例えば、毎日同じ馬の調教をつける、見る場合や、多くの馬を見ながら比較するなど、そんな機会を持つことが多い人ならば、目だけでなく耳も使ってみてはどうでしょうか。

 例えば、右前肢に痛みを感じている馬がいたとしましょう。程度は様々で一概には言えませんが、右前肢をつく時に痛みを感じて頭が少し上がる、痛くない左前肢をつく時間が長くなり深く肢をつけるため、頭が少し下がる動作をするかもしれません。運動している場所が、固いところならはっきりと着くときの音が違い、柔らかい場所なら、サクッサクッした音の高さやリズムが違って聞こえるかもしれません。そのほかにも、馬の息遣いが変わってくることもあるかもしれないし、前後の肢を時々ぶつけながら走る馬もいて、その当たる音の程度が違うことに気づくかもしれません。硬い地面での常歩でも元気のいいときと、元気のないときで、蹄音が異なるかもしれません。百聞は一見にしかずですが、聞いてこそわかることもあるので大事にしてほしいです。

 くだらないと笑われそうですが、何もないのに、馬が警戒して耳をたてて遠くを見つめることがあります。何を見ているのかなあ、何か聞こえるのかなあ、といつも知りたくてたまらなくなります。いらいらしているのか、何が気に食わないのか、ものすごい音をたてて、壁をバーン!と突然蹴るのもいますよね。まあ、わからないことだらけですけど、人間と同じで、馬も感情豊かな動物ですから、たくさんコミュニケーションをとって、多くのことを知り合える仲になりたいものです。皆さんはどんな馬に出会って、これからどんな風に過ごすのでしょうね。

 4月になれば、あちらこちらの学校、会社で様々な思いを秘めた人の足音が聞こえてきます・・・。

 今回もお付き合いありがとうございました。

2019-03-15

BTC第36期生の大草耀太です。

 早いものこの研修を卒業するまでに、あと1カ月を切りました。ここに来て急に卒業を意識するようになりました。

 先日、33期と34期の卒業生のお二人にこれから実際に牧場で働くにあたっての心得やアドバイスをお話ししていただきました。新しい環境になるとき、不安になるのは良い人間関係を築けるかということだと思います。「頼られて嫌な先輩はいないから、どんどん話しかけるべき」というアドバイスをいただきました。実際に働くようになったら、積極的に話しかけていきたいと思いますが、それには勇気もいるかなと思います。でも、新人は可愛がられてなんぼだと思うので、頼りがいのある先輩に巡り合えればいいなと思います。

 いくらBTCで研修を受けたとはいえ、仕事の全てが上手くいく訳ではないということもおっしゃっていました。働いてからも日々勉強の意識でホースマンとして成長できるように頑張らなくてはならないと思いました。

 就職先も決まり、これからの人生に期待も不安もある中、OBの方にアドバイスを頂けてとても良かったです。研修もJRA育成馬の展示会や、卒業供覧へ向けて大詰めとなってくるので、最後まで気を引き締めて頑張ります。

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2019-03-12

ビッグレッドファームの蛯名です。

今回はビッグレッドファーム鉾田トレーニングセンターについてご紹介いたします。

茨城県にあり、茨城空港から車で30分程度の位置にあり、東京までも車と電車で2時間程度。

JRAの美浦トレーニングセンターからも1時間程度と程近く、現役競走馬の短期調整の施設として常時50頭前後の現役競走馬を頻繁に入れ替えながら調整を行っております。

過去にはゴールドシップが現役を引退した後、北海道へ輸送するまでの体調管理の拠点としても利用した経緯があります。

昨年はトレッドミルと呼ばれる馬のランニングマシーンも2台導入し、急こう配の坂路コースとの併用で、より効果的な調整を試みているところです。

Photo (トレッドミル)

北海道の各牧場とは少し異なった雰囲気もあり、鉾田トレーニングセンターならではの良さもあります。

さて、先日はBOKUJOBの『牧場で働こう見学会2019』で多くの方にご来場いただきました。

牧場の仕事に興味を持っていただいた高校生を中心に、20代、30代の男性、女性。そして、親御さんや引率を担われたBOKUJOB事務局関係者など、50名を超える方々のご来場は、日頃では無い賑やかさを生み出して頂き、スタッフも高揚感を伴った雰囲気での作業であったと感じました。

ご挨拶にはじまり、馬の調教の見学、トレッドミルやウォーキングマシーンの見学。日光浴が可能なつくりの厩舎、現役競走馬との触れ合い、最後に質疑応答と現役競走馬に関するプレゼントの抽選会で幕を下ろしましたが、あっと言う間の2時間でした。

見学会の詳細のレポートは事務局より後日ホームページにアップされることと思います。

牧場関係者以外に調教や作業を見て頂くのは良い緊張感の中で取り組めますし、質疑応答などでは熱心に疑問を投げかけられると、対応したスタッフも真剣な眼差しで答えておりました。今年も有難い機会を頂いたと、ご一行様のバスをお見送りしながらスタッフと振り返った次第です。改めてご来場に感謝申し上げます。

その時の様子を交えて、鉾田トレーニングセンターのイメージ写真を幾つか掲載させて頂きますが、牧場のこと、牧場の仕事の事で疑問などございましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。

私共でお答えできる事項には、誠実に回答をさせて頂きます。

Photo_2 (調教前の鞍付け)

Photo_3(坂路コースでの調教見学)

Photo_4 (ウォーキングマシーンの見学)

Photo_5 (トレッドミルの見学)

Photo_6 (現役馬との触れ合い)

Photo_7(事務所ラウンジでの質疑応答)

Photo_8 (調教を終えた馬達のクールダウン)

Photo_9 (日光浴も可能な造りの厩舎)

2019-03-08

2018年度(第40期)軽種馬生産育成技術者研修⑨【JBBA静内種馬場研修課】

こんにちは、JBBA研修課の藤田です。久しぶりの投稿となりました。今年も早いものでもう3月となり、大分雪も融けてきました。

 さて、2018年(第40期)生産育成技術者研修ですが、前回の投稿からこれまでの間に、種馬場実習繁殖牝馬等の管理、分娩実習等を行ってきました。

 種馬場実習は昨年種付けシーズン終盤に1度行いましたが、今回は種付けシーズン直前の1月に実施いたしました。これまでの研修の成果もあり、種馬馬の日々の管理等に加えて、無事騎乗まで行うことができました。

Photo  また、繁殖牝馬等に関する研修では、JRA日高育成牧場において、分娩前後の管理・注意点等について学び、分娩に立ち会うことができました。

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Photo_3  この他にも、繁殖牝馬のセール見学や、北海道ならではのレクリエーションを満喫し、現在は今月16日に控えた修了式に向けて研修が進められております。

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Photo_5  この1年間様々なイベントがあり、大変忙しく過ごしてきた研修ですが、これらも残すところわずかとなり、すでにラストスパートといったところですが、悔いのないように頑張ってもらいたいところです。

2019-03-06

新米お父さん【岡田スタッドグループ】

皆さんこんにちは。暦はもう3月。

新たな旅立ちへ向け、期待と不安で胸が一杯という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

さて、牧場では日増しにベビちゃんの数が増えてきましたが、来年度へ向け本格的な種付けもスタートしています。

毎年楽しみにしているのが、新種牡馬の初年度産駒。当牧場でも新米お父さんのベビちゃんが誕生し・・

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派手な大流星はDNAをしっかりと継承していますが、この子のお父さんは一体誰でしょう?

そう、つい先日38年間の調教師生活に幕を下ろした栗田元調教師の傑作『イスラボニータ』です。

Photo_6 🎤いま踏み切って、ジャンプぅ~🎤昨年はイスラボニータに力を入れたため、このあと続々と出産を控えています。

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この子は『シルバーステート』の女の子ムッチムチの体付きで何だか良い雰囲気

Photo_8 生後10日目の画像ですが、歩きも実にしっかりとしています。お父さんの知名度は低いかもしれませんが、サイアーとして覚醒してもらいたいものです。

2019年度の国内供用種牡馬は、手元の資料によればナント184頭!

結果が求められる新米お父さんは、種牡馬としての地位を確立するため大変な時代になりました。