2017-05-11

JRA日高育成牧場のあしはらです。

ブリーズアップセールが終了しました!

 5月になり、北海道も過ごしやすい気候になってきました。春が遅い浦河ですが、待ちにまった桜も満開となり、GWには毎年恒例の桜まつりが開催され、桜並木の夜間ライトアップも実施され、大勢のお客様がいらっしゃいました。この原稿を書いている日の桜を撮ってみました。どうですか?魅力ある風景でしょ!この桜並木は数キロ続いています。前日の雨で少し散り始めましたが、まだ見たことがない人は、来年こそはいらしてくださいね。感動すること間違いなしです。

Photo さて、去る4月25日、千葉県の中山競馬場で、今年で13回目となるJRAブリーズアップセールが開催されました。会場は熱気に包まれ、沢山のお客様をお迎えして行なわれました。そして日高育成牧場で育った2歳馬たちは、夢をのせて、それぞれの地に旅立って行きました。急にみんないなくなってしまったことで、少し寂しくなっていますが、まあ6月になれば、新馬戦も始まりますし、彼らの活躍を見ることが出来るはずです。こちらも夢を膨らませ、期待しながら待ちたいと思います。今回のセールに上場されなかった馬たちもいるのですが、それらは5月23日に札幌競馬場で開催予定の、北海道トレーニングセールに向けて、体調を整え、準備をしているところです。その中にも活躍が期待される馬がいます。こちらもどんな結果となるか・・・皆様ご期待下さい!

子馬も成長しています

 3頭生まれたところまで紹介しましたが、4月予定の馬が2頭生まれて、合計5頭となりました。原稿を書いている日の馬体重を見ると3頭が100kgを超え、バランスよく順調に育っているようでした。研究スタッフは、4月定例の研究成果の報告と次期研究計画の発表を無事終えてひとヤマ超えた感じですが、6月にはまた発表会があるようで、気の抜けない日々を送っているようです。現場でも、生まれたての子馬たちを観察しながら、頭を回転させ、いろいろな視点から疑問をもち、互いに意見をぶつけ合いながら新しい研究テーマ模索しております。まだ種付け予定の母馬が数頭残っているので、こちらも息の抜けない感じです。そんなスタッフの苦労も知らずに、仲睦まじく過ごす親子の放牧風景を桜をバックに今回も載せてみたいと思います。

Photo_2 引っ込み思案を克服しよう

 今回のテーマは「引っ込み思案を克服しよう」です。馬と何が関係あるんだ?なんて思われそうですが、良かったらお付き合いください。馬と触れ合うことで気持ちもリラックスするようになるかもしれない。人と話すことも苦にならないかもしれない・・・そんな感じのことが伝わればいいのですが・・・。 

 「よしよしよし 大丈夫だから なしたのよ(どうしたの?) 痛くないから 偉いえらい 足あげるよ 我慢がまん ちょっと見せてみれ なんも怖くない」

いきなりこのわけのわからない言葉の羅列は何・・・って感じですが、これらは実は、私が馬を診療するときに話しかけていた言葉です。自然と出る言葉ですね(北海道出身なので、時折方言も混ざります・・・)。まだ、馬獣医初心者だった頃、先輩に指導を受けながらいろいろな診療技術を学ぶのと同時に、それよりももっと大切な馬との接し方について様々なことを学びました。教えてもらう中で、私が一番注意されたことは、「黙って診療すること」でした。何事にも臆病な性格の馬は、不自然に動くものに敏感に反応し、初めて聴く音に不快感を示したりします。先輩は「よしよしよしと声をかけながら近づきなさい」とか、「まずは痛くない場所を触って、なんでもないからね、などと声をかけて、次に診断したい部分を触診するべきだ」というふうに指導してくれたのを覚えています。ところが、恥ずかしがり屋の私は、人前で教わったとおりの台詞を口に出して言うことができません。全国の恥ずかしがり屋さんならよくわかると思いますが、やってみろと言われても、いざとなると声も出ないし、言ってみたものの、思いどおりに言えなかったとき、先輩に注意されることが恐怖に感じたりするんですよね。(こんな私ですが中学生までは、人前で何でも言える人間だったんですよ!でも、あることをきっかけにショックを受けて、何も言えない人になってしまったんです・・・)

まずは誰も見てないところで馬と話してみる

 しばらく何も言えずに黙って診療していた私でしたが、これではダメだよなあ、と悩むだけで何も答えは見つかりませんでした。でもいろいろな仕事をしてきた中で、手術をしたあとの馬の診療をする機会がありました。治療は入院馬房という場所で実施し、厩務員と1対1になる場面が多いのですが、仕事の流れの中で、厩務員が席を外し、馬と私だけになる機会も多くありました。そこで私は勇気を出してやってみました。どうでもいいことを馬に語りかけてみたのです。(もし周囲から見られていたとしたら、きっと独り言を言っているように見えたでしょうね。)誰も見てないし、馬も感想をいうわけではないから、ドキドキすることもない。「どうした?」「注射痛かったか」最初に言ったのはそんな言葉だったでしょうか。何度か繰り返しているうちに、馬に自然と話しかけられる自分になっていました。そして、それをきっかけにして、人前でもそんなに緊張することなく話できる人になっていました。「痛くないから痛くないから」と言いながら注射するようになれたし、我慢しなければならない治療に耐えた馬に、「よく頑張ったな」と声をかけられる人になっていました。ここでは簡単に書いていますが、もちろん何年もかかってできたことです。様々な事情で切羽詰まった状況に置かれている人には参考にはならないかもしれませんが、ほとんどの皆さんはこれから、馬に携わろうとしている人たちですよね!「馬なんか話すことができないからそんなことしても無駄だ」なんて考えず、気持ちを伝えることを意識して話しかけてみてください。辛いことがあったとき、大きな失敗をした時に馬に話しかけてみてください。何も変化がなくても気持ちが穏やかになった自分に出会えているかもしれません。馬って、人をよく見ていますよ!ただ、曳き手を持つだけでも、「こいつの言うことは聞いておかないと」と考えているように見える場合もあれば、「こいつの言うことは聞かなくてもいいな」となめられているように見える場合もあります。でも、私は何の汚れもない生まれたての子馬を見ていると思うんです。

 「根はどんな馬もいい子だよな」

と。そう、「いい子」である馬は、どんな人にもとても優しくなれると思うのです。だから、馬に気持ちが伝わりさえすれば、引っ込み思案のあなたの話し相手になれるのではと考えるのです。

 このサイトは馬に関する職業に関係するものですが、相手は別に馬でないとダメだということではありません。一番心を許せる人、自分が一番好きな動物でもいいのではないでしょうか?動物園に行ってみるのはどうでしょう?彼らをじっくり観察しながら、今回の話題を思い出していただくのもいいかもしれません。

なんだか、毎回自分の恥をさらしているような気分にもなるのですが・・・。

次はどんな話になるのやら・・・お付き合いありがとうございました。今回はこの辺で!

コメント

コメントを投稿

« 2017年度(第39期)軽種馬生産育成技術者研修スタート【JBBA静内種馬場研修課】 | メイン | トレーニング施設【ダーレー・ジャパン・ファーム】 »