2017-04-14

JRA日高育成牧場のあしはらです。

育成馬展示会が終了しました!

 4月も中旬になり、北海道の桜はまだ先ですが、かなり暖かくなってきましたね!皆様いかがお過ごしですか?日高育成牧場では4月10日に育成馬の展示会が行なわれました。強風で体感温度は低く感じましたが、幸い天候に恵まれ、沢山のお客様を迎えて実施することができました。前半の比較展示は5班に分けて行い、後半の騎乗供覧は3班に分かれて実施しました。

Photo 今後は4月25日のブリーズアップセールに向けて、最終準備に入ります。4月17日に浦河を出発予定で、4月18日に中山競馬場に入厩します。そして現地での調整を行って、4月24日の前日展示会を経て本番となります。皆様、ご期待下さい!

研究室も頑張っています!

 日高育成牧場では、初期育成、中期育成の研究にも積極的に取り組んでいます。今年は6頭が出産予定ですが、そのうち先月の17日と20日に2頭が無事に生まれました。そして、この原稿を書いている4月11日にもう1頭生まれました!計3頭となり、親子ともども元気に過ごしています。生産育成研究室では、このように日高育成牧場で生まれた子馬を中心に使って、様々な研究に取り組んでいます。4月から6月は、その研究成果をまとめて発表したり、報告したりする大切な時期です。また、現場では、残る3頭の出産予定の繁殖牝馬のケア、来年に向けての種付け、1歳馬の発育状態の記録、各馬の検査材料の採材などを実施しており、慌ただしい毎日となっていますが、スタッフ一丸となって頑張っています。展示会当日も、出産が数日以内と予想される馬の状態チェックや種付けのための馬の輸送などで大忙しの1日となりました。

 そんな中で、2組の親子は元気よく放牧地を駆け回っていましたよ。

Photo_2生まれたばかりの親子は室内パドックで様子を見ています。

好奇心を持とう

 さて今回のテーマですが、「好奇心を持とう」です。面白みのないテーマですが、良かったらお付き合いください。ちょっとしたことでも興味を持って好きになれば、それがきっかけとなって、仕事も楽しくなるのでは・・・という風に伝わればいいのですが・・・。

 季節を問わず、馬の放牧風景などを写真で撮るのが好きな私ですが、ある大雨が降った翌日の晴天の日のこと。放牧地を散策していると、水たまりの中に親子の馬が映る、絶妙のコントラストの場所を見つけました。すかさず気に入ってその風景を写真におさめて、自慢げに友人に見せたのです。私は可愛い親子をうまく撮れたなあ、と思っていたのですが・・・

 「この水を飲まないかどうか心配だな」

と一言・・・。「気分よく見せているのに、そんなこと言うことないだろう!」と最初はおもしろくなかったのですが、あとでその小さな怒りもすぐにおさまりました。逆に恥ずかしくもなりました。

なぜかというと・・・

  馬にとって、放牧地の管理はとても重要です。例えば、土壌が硬いと子馬への足元の疾患を誘発するかどうかが心配されますよね。また生えている草の種類も重要ですよね。栄養の少ない草や栄養が偏りやすい草が生えてないか気にしないといけませんから。これを無視すると、馬が太りすぎたり、痩せたりする原因になりますから。馬は草のどの部分を好んで食べるか知っていますか?よく観察すると、草の根元を好んで食べていることがわかります。なので、掃除刈りをして、美味しい部分、栄養のある部分を食べられるようにしておくことが重要だったりします。その放牧地に小石がゴロゴロしているとどうなるでしょう?草と一緒に誤って食べて、お腹を壊す原因になるかもしれませんね。そして馬自身や鹿、狐などの糞もよく落ちています。腐敗したそれらが間違って口に入ると、寄生虫病の原因となるかもしれません。そこで先ほどの水たまりです!放牧地には綺麗な水飲み場が確保されているはずですが、馬の性格やそのほかのことが原因で、綺麗な水飲み場には行かずに、そのへんの溜まった水を飲んで済ませようとすることが起こるかもしれません。そしてその水には砂や糞が溶けて寄生虫の卵が浮いているかもしれません!「水たまりの水を飲むのが心配だ」と言った人は、心の底から馬のことが大好きであり、馬の口に入る有害物の心配をしたですね。その理由を知ったとき、そんなことすら疑問に持たない自分を少し恥ずかしく思いました。

日頃から何気ないことに疑問を持ってみる

 私は「なんでだろ~」のお笑いコンビ「テツandトモ」が大好きなのですが、彼らを見て、「いろんなことに気がついて、人を笑わせるのが上手だよなあ」っていつも感心しています。馬の世界でも「なんでだろ~」はたくさんあります!馬への疑問、馬を取り囲む様々な環境への疑問をたくさん持って、いろんな人に聞いて、謎解きをしていくのは意外と面白いものです。世の中には様々な職業があります。薬剤師を目指す人、小説家を目指す人、建築士を目指す人、学校の先生を目指す人・・・いろんな人がいると思いますが、どんな世界でも共通で、興味を持つこと、疑問を持つことが、自分の世界を広げるし、それがきっかけで仕事が楽しくなってくると思うのです。もちろん最初は気が付くことすら難しいし、わからないことだらけかもしれません。また仕事を極めていけばいったで、なかなか答えがわからなくて嫌になったり、うまくいかなくて悩む場面も出てくると思いますが、そんなことは、誰にでもあることです。ぜんぜん気にしなくていいです。馬の生産や育成は、歴史と伝統がある深みのある世界ですが、馬にとって人にとって本当に良いことなのか、悪いことなのか分かっていないことが意外にたくさんあります。当たり前のようにやられていることでも、「こうやってみるのが馬にとっていいことになるのでは?」と先輩に意見をしてみてください。最初は相手にされなくても、次第に「その考え方、意外といけるかもな!」となって、取り入れられることも出てくるのが、馬の生産と育成の世界だと思います。

 「放牧地ってどのくらいの広さが必要なの?」

 「あの細い足でどうして400、500、600キロの体重を支えられるんだ?それに理想の体重とか、体型とかあるのかな?」

など、水たまりのことも含めて、最初は些細なことから疑問を持てばいいと思います。毎日好奇心を持って、馬を眺めているだけで、いろいろなことが発見できるし、知りたいことも出てくるはずです。そうすれば、辛い仕事もだんだん楽しくなっていくかも・・・。

 馬に乗れるあなた!馬に触ったことのないあなた!あなたの馬への疑問はなんですか!

好奇心を持って、毎日を楽しみましょう!

Photo_3(出産が近い母馬の乳房。これを見てあなたが考えることは?)

今回はこのへんで!

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